こんにちは!元日産ディーラー営業マンのげんげんです!
最近、新車を買う時にかなりの方が利用している「残価設定ローン(残クレ)」。
実際は
「名前は知っているけど・・・ぶっちゃけどんなものかわからない」って人
「絶対にトクだから新車を買う時は残クレだよ!」って人
といったように両極端だと思います。
僕自身、ディーラー時代から通算すると3台の新車を買っていますが、実はどれも残クレなんです。
残クレには向き不向きがあって、「支払いを抑えられるから残クレを使う」というだけでは後々失敗することも・・・。
そこで今回は、「残クレの特徴」を解説するとともに「残クレ利用に向いている人・向いていない人」はどのような人か、についても解説します!
残価設定ローン(残クレ)の特徴って?
まずはじめに、残クレとはどのような物なのか?をご説明します。
この買い方は、「3年、4年、5年(一部の車は6年もあり)」での契約となります。
その際に
「契約年数が経過した段階での、その車の”価値(残存価値=残価)”をあらかじめ設定し、その”価値”を支払いの最終回に据え置く」
ことで残りの月々の支払いが抑えられる
といった特色があります。
わかりやすい例で説明します。
300万円の車を5年間(支払回数60回)の残価設定ローン(残クレ)を組むとします。
その車の5年後の価値(残価)が100万円だったとします。
通常のローンだと300万円を60分割して支払いますよね?
残クレだと、残価の100万円を60回目の支払いにもっていくことで、残り200万円を59分割するので月々の支払い金額が抑えられる
というのがポイントです。
画像で見るとわかりやすいと思うので画像でも解説します。
(雑な画像でゴメンナサイ・・・笑)
こう見るとすごくおトクだと感じられると思います。
ただ、最後に100万円を支払うのは大変ですよね?
その時に残クレの最大の特徴が発揮されます。
- 新車に乗り換える
- 車を返却する
この2つの選択をすれば100万円の支払いが免除されます。
もし、その車を気に入ってそのまま乗り続けたい!となった場合は、残価を支払えば大丈夫なので心配ありませんよ。
この残価設定ローン(残クレ)の特徴を一言で表すのであれば
「月々の支払いが抑えられるので、欲しかった車がお手頃になるだけでなく、通常ローンだと買えそうにない(予算に合わない)1ランク上の車が乗れるようになる」
ということです。
残価設定ローン(残クレ)のメリットとデメリット
残価設定ローンの特徴がわかったところで、残クレのメリットとデメリットはどのような物なのか。
そこに注目してみていきましょう。
残価設定ローン(残クレ)のメリット
まずはメリットです。
私が考える残クレのメリットは以下の3点です。
- 月々の支払いが抑えられる
- 定期的に買い替えるのであれば支払総額が少なくなる
- メンテナンスパックを購入すれば最終回まで基本整備がコミコミ
月々の支払いが抑えられるというのは残クレの特徴と同じですが、これが最大のメリットです。
3年または5年といった車検の節目ごとに買い替える人であれば、最終回に据え置かれた残価は支払わなくても良いため、トータルの支払金額が抑えられます。
最近は点検整備とオイル交換がセットになった「メンテナンスパック」が販売されていて、これを購入しておけば”基本的に”整備費用はタダです。
(車検の諸費用やオイル以外の消耗品は自己負担になります)
日産では「テーガク5」といった呼び方で保証期間の延長とメンテナンスパックをセットにした残クレもありますね。
この買い方は車にかかる費用がだいたい平準化されるので、非常に良いと思います。
残価設定ローン(残クレ)のデメリット
特徴とメリットを読んで、いろいろとおトクに感じてしまう残クレですが、おトクな反面デメリットだってあります。
それは・・・
- 走行距離に制限がある
- ボディについた傷・へこみに制限がある
- 事故による修復があると返却できない
です。
走行距離制限は、たいてい月1000kmか1500km平均の制限となります。(5年間だと60000kmか90000km)
車で長距離移動したり旅行に頻繁にいかない人であれば気にしなくても問題ない距離ではありますが、
「あー距離走りすぎたから控えなきゃな―」
と思わなければならない状況下になる可能性もあります。
傷やへこみに関しては査定時の基準があり、だいたいの車が「100点の減点」以内であれば大丈夫です。
(この点数に関しては査定協会というところで定められています。)
点数に関してはかなり複雑なので、簡単にイメージするなら「A4サイズ以内の傷やへこみが3か所、手のひらサイズが1か所」と覚えておけばいいと思います。
一番厄介なのが「事故による修復歴」だと私は考えます。
ちょっとバンパーを擦ったぐらいであれば傷扱いになりますが、フレーム修正をしなければならない損傷を受けた場合は返却要件から除外されてしまいます。
事故に関して言うのであれば、いくら自分が事故を起こさないように気をつけていたとしても「貰い事故」でフレーム修正になってしまう可能性が大いにあり得ますので、この危険性と常に隣り合わせになっていると言っても過言ではありません。
要するに、車=走ってなんぼのモノであるにもかかわらず
「走りすぎてもダメ・過度に傷がついてもダメ・事故なんかもってのほか」
の三拍子が揃ってしまうんです。
(走行距離と傷に関しては、超過料金を払ったり傷を直せば返却できるようにはなります)
残クレはメリットよりもデメリットが多いものであると私は考えます。
ですが、ディーラーサイドとしては「残クレ=定期的に買い替えのタイミングが強制的にやってくる」いわばドル箱のような車の売り方です。
なので「月々の支払いが抑えられるのでめっちゃおトクですよー」とやたら滅多に勧めてきます。
メリットとデメリットはしっかりと押さえておくことが重要ですね!
残価設定ローン(残クレ)に向いている人・向いていない人
残クレの特徴とメリット、デメリットがわかったところで、実際はどのような人に向いているのでしょうか。
車の使い方は人それぞれですので、そのあたりを中心に「向いている人向いていない人」を解説していきます。
向いている人
まずはじめに向いている人です。
- 土日しか乗らないよっていう人
- 長距離ドライブを滅多にしない人
- 毎日決まった距離しか乗らない人
- 定期的に車を買い替える人
- 車に使える予算が限られていいる人
基本的に「車を頻繁に使わない人」が残クレの利用に向いている人になります。
通勤で使っているとしても残クレの範疇に収まる使い方の人は残クレを利用して買った方が良いでしょう。
「あまり乗らないけど”新しい物好き”で頻繁に買い替える人」にもこの買い方は向いています。
あとは「予算を抑えたい」って人にも残クレ利用はオススメですね。
向いていない人
では、残クレを利用するのに向かない人はどのような人でしょうか。
- ほぼ毎日乗る人
- 長距離ドライブを頻繁にする人
- 一度買ったら乗りつぶすまで乗る人
- 運転に自信がない人
- 現金一括で車を買えるような財力がある人
基本的に「向いている人」の逆をイメージすれば大丈夫です。
通勤で長距離を走って、休日もがっつり乗るよーって人は、残クレ終了時の走行距離が読めないので正直オススメできません。残クレの条件で「一定以上の傷やへこみがあると返却できない」というのがあるので、
「運転に自信がなくてぶつけてしまうかも・・・」って人は残クレの利用はやめた方がが良いです。
そもそも一括で買える予算がある人は利息を払うのがもったいないのでおススメしません。
まとめ
と、いうことでまとめです。
残クレは
- 月々の利用料金が抑えられるけど様々な制約がある
- 通常のローンを使っていて、車検ごとなど定期的に買い替えをする人にはオススメ
- 車を頻繁に乗ってそれなりの距離を乗る人にはオススメできない
このような特徴と向き不向きがある、ということを覚えておけば大丈夫です!
ディーラーで「それなら大丈夫ですよ!」という言葉を鵜呑みにしてしまうと後々痛い目を見るのは買い主なので、事前に知識を付けておくことが大切ですよ!!
最後に
新車をおトクに買うなら、今乗っている愛車を高く売ることも大事です!
私のオススメは一括査定を利用して売却をすること。
実際にディーラー下取りよりも高値で売ることができた体験談もありますので、ぜひ読んでみてくださいね!

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