「車を売るならビッグモーター」
このフレーズを聞いたことある人は少なくないですよね。
ここ最近、テレビやネットニュースで聞かないこと日がないというくらい問題になっています。
いま注目されているのは板金部門の不正(故意にお客様の車を壊して保険金を水増し請求していた)ですが、ネット上には中古車買取や販売部門でのトラブルや被害報告が数多く存在します。
私自身もディーラー時代から通算してビッグモーターに車を3台(うち1台は親戚の車)を売却しましたが、今回はその思い出について話していきたいと思います。
ビッグモーターの買取トラブル
※画像はビッグモーター日立店(公式HPより引用)
思い出話をする前にビッグモーターの話をしてみようと思う。
ビッグモーターは言わずも知れた、中古車買取販売の大手企業。
2021年現在6,000人もの従業員を抱え、国内に300店舗を構えています。
そのためビッグモーターでは買取事例も多いため、ネット上などで中古車買取に関するレビューをよく目にします。
いい例では
・ディーラーの下取りよりも何十万円も高く売れた
・他の買取業車よりも高値で売れた
などといったもの。
その裏には悪いレビューもあり、
・車を引き渡した後に事故車と言いがかりをつけられて減額請求された
・車を返して欲しいといったら陸曹台を請求されて泣き寝入りした
・査定に車を持ち込み、査定額を聞いて帰ろうとしたのに返してくれなかった
・訪問査定に呼んで、金額に納得できずに帰ってもらおうとしたのに何時間も居座られた
・他社よりも明らかに安い査定金額を提示してきたのに契約を迫られた
・勝手に他社の査定をキャンセルされた
これだけでもごく一部で、調べれば調べるほど悪評ばかりが目立っています。
今回の報道で明らかになっているのは板金部門の不正請求だが、本業とも言える車の買取販売においても悪評が目立つ、近寄りがたい店舗になったといってもいいでしょう。
1台目の時の話
最初にビッグモーターで車を売ったのは2015年秋。
当時は日産ディーラーに勤務し、新車の販売をしていました。
当時乗っていた車はジュークニスモでした。
2年前の2013年に新車購入したこの車。
初めて自分で買った車、しかも新車だったので相当丁寧に扱っていたのを覚えています。
そんな愛車を2年で手放そうと思った理由は「スポーツタイプの車に疲れた」から。
若かった&当時は安かったので首都高速をドライブしていたんですよね。(当時首都高はETC割引で500円台で走れたと思います。今考えると安い)
そこまで飛ばしていなかったんですが、ドライビングスキルの低さからスリップ事故を起こしかけ怖くなったので買い替えを検討。
本来であれば自社で下取りをすればいいだけの話だったんですが、下取査定額が残債を大きく下回っていたので自社入庫を断念。
当時くらいからラジオやネットなどで話題になっていた「一括査定」をやってみることにしたのです。
その時きた業者のひとつに話題のビッグモーターが。
「一括査定は同じ時間に読んでオークション形式にするのがいい」
そんなことを調べた時に見ていたので見よう見まねでオークションを開催。
最も高値で買取金額を提示したのがビッグモーターだったのです。
その当時、下取査定額が140万円、ビッグモーターの買取査定額が200万円だったことを記憶しています。
ディーラー勤務かつ事故をしていない自信(というか確実な証拠)があったので、そこを強く推したことが功を奏したのか、何事もなくスムーズに車を売却することができました。
2台目の時の話
2台目の車をビッグモーターに売ったのが2018年の夏。
1台目のジュークを売却後に購入したC26セレナの初回車検前でした。
子供が生まれる直前、どうしても新車で子供を迎えたかった謎の衝動に駆られ、お金もないのに車を買い替える決意をしました。
そのときローンを組んでいたのですが、
「残債をペイ&車検で支払う金額と同額の頭金になる(買取額で賄う)&毎月の支払い金額を合わせる」
というなかなか厳しい条件をクリアしなければならず、再度一括査定をすることに。
その時きた業者が、ネクステージ・ガリバー・ビッグモーター・地元の買取店でした。
1台目と同様に同時に全ての業者を呼び、オークション形式で車を査定してもらうことにしました。
事前に、同型・同年式・近い走行距離のセレナの中古車相場を調べておき、指値として先ほどの条件+αを提示。
これをベースに査定をしてもらうことにしました。
そのとき出た査定価格が
・200万円
・180万円
・195万円
・210万円
で、ビッグモーターがやはり1位。
契約を結ぶ際に「入庫した後に減額しないでね」ということを録音したうえで口約束を交わして、車を引き渡しました。
実は、この頃からビッグモーターの悪評はネット上などで聞いていました。
その悪評とは「入庫後に車を見たが事故車だったので減額をして欲しい」といったもの。
これを回避するために書面を交わすよう提案しましたがそれは無理とのことだったので、証拠としては若干弱いですが録音をして口頭で約束をしたという経緯です。
3台目の時の話
3台目のビッグモーター買取の話は、近所に住んでいた親戚(いとこ)の話。たしか2020年ごろと記憶しています。
軽自動車のタントからヴォクシーに買い換えるということで、ディーラーの査定が合わずビッグモーターに車を持ち込み。
納得のいく契約ができた、というまでは良かったのですが、車を引き渡した後に、もはや恒例の入庫後減額の電話。
その時に、いとこからヘルプ要請が入りました。
電話が入った翌日、いとこと共に車を引き渡したビッグモーターに。
ことの経緯と、元中古車査定士ということを公表した上で車を実際に見せてもらうことに。
こうなったことの結論から話してしまうと、車を査定したスタッフの見落としによる査定ミスでした。
明らかにリアに修復歴があり、その修理がお粗末なことで素人が見ても明らかにわかるレベルなのにプロが見落とし。
ヒアリング時に「事故歴はない」と伝えていたようですが、実はこの車は高年式中古車として購入したもので購入前に事故があったようでした。
ですので購入してから事故はないと伝えていたようです。
ちなみにその車を購入した際は「無事故車」として購入したようで。中古車業界の闇を感じます。
推測にはなりますが、この車、新車で購入後に大きな事故に遭遇し新価特約で新車代替。事故現状車として中古車オークションに流れたものを起こし屋が購入し見栄え良くして再販したものなのかな、と思います。
本題に戻り、ビッグモーターとの交渉スタート。
・いとこは購入時に事故車と知らなかったし、購入してから今まで事故を起こしていない(つまり事故について知らない)
・そもそも査定のプロでもある(有資格者)人間が車を見て無事故車と判断して買い取ったのに後から事故車だったと言われるのはおかしい
・その責任をユーザーに押し付けるのは如何なものか
という部分を強調し交渉しました。
交渉の中で「お互いに減額分を折半しないか」と提案がありましたがそれを突っぱねて、弁護士や消費者センターに相談する旨を伝えたところ、最終的に減額なしで決着しました。
いま考えるとその減額分は査定したスタッフが全額ペナルティとなったのかな、と考えてしまいますが、ビッグモーターの常套手段なので気にしないほうがいいかもしれないですね。
査定額減額トラブルはどの会社でも起こりうる
大前提としてお伝えしておきたいのが、ビッグモーターに限らずこのようなトラブルは起こる可能性があるということです。
では、そうならないためにどうすれば良いのかということになりますが、私は次のように考えます。
・車の状態についてしっかりと伝えること
・確かな証拠を用意すること
・事前に知識をつけて武装しておくこと
これらに限ります。
大手だから安心だ、上場している会社だから安心だ、というのはあくまでも妄信でしかありません。
今回のように業界最大手の会社でさえも、顧客を欺く行為をして売り上げを上げている事実があるのですから。
最後に信じられるのは自分自身のみです。
様々なかたちで武装することで、自分を守ることができます。
RPGで例えるのなら、レベル1の勇者が木の棒と布の服を装備してラスボスに挑むようなものです。
事前に下調べ(レベルアップ)して、証拠や知識という武器防具を揃えてから買取に臨みましょう。
最後に改めてお伝えしたいのが、大手だから安心ではないということです。
それであれば、地元の小さな中古車販売店で車の売買をするのもひとつの方法です。
小さいながらも長い間続けていられるということは、地に足のついた経営をしていて信頼を得ているということです。
このようなお店を見つけるにはどうしたらいいのか、悩みますよね。
実は私も車を売るときに使っていた一括査定サイトは、住んでいる地域の中古車買取業者をピックアップしてくれますので自ずと地元のお店が出てくるようになっている場合があります。
もちろん一括査定サイトに登録していないような業者もありますので、それは自分の足で探す必要があります。
買取価格の参考値を出すために一括査定サイトを利用し、それと並行して地元の業者を探しつつ相談をするのがベターな方法と考えられます。
まずはこちらのリンクから一括査定をしてみて愛車の今の価値を調べてみるのはいかがでしょうか。
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