クルマを運転していると、誰しも一度は「やってしまった……」という瞬間があるものです。狭い道でガリッと擦ってしまったり、駐車中にポールにコツンと当たったり。そんなとき、ふと頭をよぎるのが「これって事故歴になってしまうのかな?」という疑問ではないでしょうか。
この記事では、車にあまり詳しくない方でも安心して読めるように、「事故歴」の正しい定義や、査定にどれくらい影響があるのかをわかりやすくお伝えします。
そもそも「事故歴」って何?
中古車業界でいう「事故歴」とは、実はちょっとハードルが高めです。単なる擦り傷やバンパーのへこみは、基本的には事故歴とはされません。
「事故歴あり」とされるのは、車の骨格(フレーム)部分に損傷があった場合です。骨格とは、たとえばフロントクロスメンバーやインサイドパネルなど、車の“体幹”にあたる部分。これが損傷し、修復された車は「修復歴車(=事故歴ありの車)」とされます。
つまり、少し擦っただけのようなケースは、たとえ板金や塗装をしたとしても「事故歴」にはなりませんのでご安心を。
フレーム損傷は「事故歴あり」。体でいえば骨折のようなもの
ここで少し比喩を交えて説明しましょう。
車のフレーム=人間の骨と考えてみてください。
たとえば自転車で転んで「擦りむいた」程度であれば、絆創膏を貼って終わりですよね。これが、バンパーをこすったり、ドアに小さなへこみができたようなケースです。
一方、フレームにまでダメージが及んでしまうと、骨にヒビが入ったり、骨折してしまったようなもの。こちらは当然、手術やリハビリが必要になります。そしてその記録は、カルテに記録としてに残るでしょう。
中古車においてもそれと同じで、フレームまで損傷した車は「修復歴あり」として扱われ、車両の履歴に残るのです。
バンパーやドアの傷は心配なし。でも査定は多少マイナスに
では、バンパーの擦り傷やドアの凹みはどうでしょうか?
これらはあくまで“外傷”であり、車の構造部分に影響がない範囲。事故歴には該当しません。ただし、見た目の印象や、修理の必要があることから、査定時にはある程度の減額対象になります。
とはいえ数万円程度の調整で済むことも多く、車の価値そのものが大きく下がるわけではありません。
修理しているかどうかも査定の判断材料に
ぶつけた後に「修理したか・していないか」も査定額に影響します。
たとえば、へこみをきちんと板金修理している場合は、査定員が見ても「丁寧に扱われていた車」と判断されることがあります。
逆にそのままにしていると、「放置されていた=他のメンテナンスもされていないかも?」という印象を与えかねません。
もちろん、修理の内容や品質によっても判断は変わりますので、気になる方は見積もりを取るついでに査定も受けてみるのがおすすめです。
事故歴があっても諦めない!複数業者の比較がカギ
事故歴があると「もう高くは売れないのでは」と思われがちですが、実際にはそうでもありません。
買取業者によって、評価のポイントが異なるからです。事故歴がある車でも、自社で板金修理や整備をして販売できる体制を持つ業者であれば、意外な高値をつけてくれることもあります。
そのためには、一括査定サービスを使って複数の業者に一度に査定を依頼するのが非常に有効です。
まとめ:軽い接触は心配なし。正しく理解して行動を
クルマを少しぶつけてしまった……。
そんなときは焦らず、「事故歴になるのか」「売却にどう影響するのか」を冷静に確認することが大切です。
- フレーム損傷がなければ基本的に「事故歴」にはならない
- 擦り傷やバンパー交換は軽度の減額で済む
- 一括査定で最も高く評価してくれる業者を探すのが賢明
事故歴という言葉に惑わされず、事実を正しく理解したうえで、賢く車を売却していきましょう。
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